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2026.02.03
車のプロテクションフィルム施工における安価施工のデメリット
── 安さの裏に潜む“本当のコスト”**
車のプロテクションフィルム(PPF)は、愛車の塗装を守り、傷や飛び石、紫外線による劣化を防ぐ非常に有効な手段です。近年では高級車だけでなく一般車でも施工されるようになり、ボディの美しさを長期間維持するための“常識”とも言える存在になってきました。
しかし、PPF施工には大きな価格差があります。フィルム自体の価格や施工範囲による違いだけでなく、施工店の技術力、設備環境、施工にかける時間などにより、同じ車種でも見積もりが数倍違うこともあります。そのため、中には「安い施工価格を選んだ方がお得では?」と考える人も少なくありません。しかし、PPFは単なるフィルムを貼る作業ではなく、数年後の仕上がりや耐久性が施工品質によって大きく左右される製品です。安価な施工価格には、必ず“理由”があり、それが後々大きなデメリットとなることが多いのです。
本コラムでは、なぜ安価な施工価格が危険なのか、施工現場で起きる具体的な問題を交えて、詳しく解説します。
【目次】
安価な施工価格は「施工時間を削っている」証拠
PPF施工は単にフィルムを貼るだけではありません。良質な施工は、以下のような多段階の工程を丁寧に行うことによって完成します。
- 洗車・鉄粉除去・脱脂などの下地処理
- 車体の凹凸やプレスライン、曲面の形状に合わせたフィルムのカットや調整
- フィルム貼付時の水分管理や空気・気泡の除去
- エッジや巻き込み部分の最適化
- 乾燥・定着作業
高品質の施工では、一台あたりフルボディですと2週間〜1ヶ月かけることも珍しくありません。
施工中は、温度や湿度、照明などの環境条件も整える必要があります。
しかし、施工価格を安く抑える店の多くは、こうした工程の一部を省略します。
- 下地処理の時間を短縮
- 脱脂が雑で十分に塗装面が整っていない
- フィルムのカットや貼り付けを時間に追われて雑に行う
- エア抜きや水抜きが不十分
- 巻き込みが浅く、フチの密着が弱い
これらの省略や手抜きは、施工直後には目立たなくても、数ヶ月〜数年で確実に劣化として現れます。安価施工の大きなデメリットは、**「施工の手間を削ることで短期的なコストは安く見えるが、長期的なコストが高くなる」**点にあります。
施工環境が不十分なことが多い
PPFは非常に繊細な製品です。施工環境の良し悪しが仕上がりに直結します。
施工環境で重要な要素
- ホコリや塵の管理
- 温度と湿度の制御
- 安定した照明と視認性
- 車両の動線管理
高品質施工店では、専用ブースや温湿度管理、清浄な作業環境が整えられています。これにより、フィルムの貼り付け中にホコリが入り込むことを防ぎ、気泡や白濁を防止します。
一方、安価な施工店では
- 空調のないガレージや倉庫で施工
- 温度・湿度管理が不十分
- ホコリや微細なゴミが浮遊する環境
- 照明が暗く細部が確認できない
といったケースが少なくありません。施工中にホコリが混入した場合、気泡や密着不良が発生し、貼った直後には気にならなくても数ヶ月後に目立ってきます。
安価施工では“職人の技術”に制限がかかる
PPF施工は、データカットや手切りなどの技術だけでなく、職人の経験や勘、微妙な手加減によって仕上がりが決まります。フチの密着や角の巻き込み、曲面でのテンション管理などは、経験豊富な職人しか完璧に行えません。
しかし、施工価格を安く設定している場合、店側は**「熟練職人による丁寧な作業に時間を割けない」**ことが多いのです。
- 新人やアルバイトに作業させ、スピード優先
- フチ処理や巻き込みを簡略化
- 曲面処理を簡易的に済ませる
結果として、施工直後は大きな問題がなくても、フチの剥がれや曲面の浮き、気泡の発生など、長期的なトラブルに直結します。
使用するフィルムも安価なものになりがち
安価施工では、施工店側が利益を確保するために、フィルム自体も安価なものを選ぶ傾向があります。安価なフィルムには以下のような特徴があります。
- 紫外線・黄変防止層が薄い
- セルフヒーリング層がない、または薄い
- 接着剤の性能が低く、エッジの密着が弱い
- 透明度や光沢が低く、貼ってあることが目立つ
フィルムの品質が低いと、施工技術が良くても「時間経過で黄ばむ」「傷が消えない」「フチが浮く」といった問題が発生します。結果的に、安く施工したつもりが数年後に剥がしや再施工のコストとして跳ね返ることがあります。
保証やアフターケアが不十分
高品質施工店では、フィルムや施工に対して3〜10年の保証が付く場合が多いです。これは施工技術と環境が整っているからこそ提供できる安心のサービスです。
一方、安価施工では
- 保証期間が短い、または保証がない
- トラブル時の対応が遅い、または不十分
- 修正施工や再施工の料金が高額
といった問題が発生することがあります。施工直後に問題がなくても、数年後にフチが剥がれたり気泡が発生した場合、修理や再施工が必要になり、結果的に高くつくケースが多いのです。
“安価”は短期的には魅力的でも、長期的には損になる
ここまで挙げた要素を総合すると、安価施工のリスクは明確です。
- 施工時間を削っている → 長期耐久性の低下
- 環境が不十分 → 気泡やホコリ混入のリスク
- 職人技を十分に活かせない → 曲面やフチの仕上がり不良
- 安価フィルムを使用 → 黄ばみや傷残りの可能性
- 保証やアフターケアが不十分 → 修理・再施工コスト増
一時的な価格の安さは魅力的ですが、数年後の美観・耐久性・コストを考えれば、安価施工には大きなデメリットがあることがわかります。
結論:価格だけで判断してはいけない
PPF施工は、単に貼れば良いものではなく、施工時間・職人技・施工環境・フィルムの品質 が総合的に評価されるサービスです。安価な施工価格には必ず“省略されている部分”があり、施工直後はわからなくても、長期的な耐久性や美しさに影響します。
愛車の塗装を本当に守りたいのであれば、施工価格だけに惑わされず、
- 確かな施工環境
- 経験豊富な職人
- 高品質フィルム
- 十分な施工時間
- 保証とアフターケアの体制
を持つ施工店を選ぶことが、最終的に最もコストパフォーマンスが高い選択となります。
安さに飛びつく前に、施工店の技術力と環境を確認すること。
それこそが、愛車を長く美しく保つための最も重要なポイントです。