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2025.10.01

車のコーティング剤の選び方 ― 愛車を守る最適な一手を見つける

クルマを所有している人にとって、塗装の美しさをどれだけ維持できるかは大きなテーマです。新車のときは、キレイな塗装に心が躍ります。しかし、屋外駐車や日常使用を繰り返す中で、紫外線や酸性雨、鉄粉、鳥フン、樹液などの影響で塗装は徐々にダメージを受けます。

 

そこで注目されるのが「コーティング剤」です。塗装面に保護膜を形成し、汚れの付着や劣化を防ぎつつ、艶や撥水性能を向上させる役割を果たします。ただし「コーティング」と一口に言っても、その種類や特徴は非常に幅広く、価格帯も数千円から数十万円までさまざまです。では、私たちはどのようにして最適なコーティング剤を選べばよいのでしょうか。

 

 

 

 

  1. コーティング剤は化粧ではなく

 

 

まず理解しておきたいのは、コーティング剤の本質です。ワックスと混同されることも多いのですが、両者は性格が大きく異なります。

 

  • ワックス:塗装表面に油脂成分を乗せ、光沢や撥水を一時的に演出する。持続は数週間から数か月程度。
  • コーティング:無機質や樹脂成分が塗装と化学的に結合し、強固な被膜を形成する。持続は数か月から数年。

 

 

つまり、ワックスは“メイクアップ”に近いのに対し、コーティングは“防具”です。コーティングを選ぶことは、愛車の塗装にどんな鎧を着せるかを決める行為だと言えるでしょう。

 

 

 

 

  1. コーティング剤の代表的な種類

 

 

 

2-1. ポリマー系コーティング

 

 

合成樹脂を主成分とした簡易的なコーティングです。DIY向けの製品が多く、施工は容易でコストも低め。艶は出やすいですが耐久性は数か月程度で、定期的な再施工が前提になります。

 

  • 向いている人:手軽に艶を楽しみたい、こまめに洗車や施工ができるDIY派。

 

 

 

2-2. ガラス系コーティング

 

 

シリカを含む樹脂成分が塗装面に定着するタイプ。完全硬化はしないものの、ポリマーよりは強固で1年程度の耐久性を持ちます。施工性も比較的良く、DIY製品からショップ施工まで幅広く展開されています。

 

  • 向いている人:年1回程度のメンテナンスを習慣にできる人。

 

 

 

2-3. ガラスコーティング(硬化型)

 

 

化学反応で硬化し、強靭なガラス質の膜を形成する本格的なコーティングです。耐久性は1〜5年と長く、透明感のある艶が特徴。ただし施工は難易度が高く、プロ施工が前提になることが多いです。

 

  • 向いている人:長期的に塗装を守りたい人、ガレージ保管車や新車オーナー。

 

 

 

2-4. セラミックコーティング

 

 

近年注目されている最新タイプで、セラミック成分により高硬度・高耐久を実現。耐熱性や耐擦傷性に優れ、深みのある艶を長期間維持できます。価格は高めで、施工もプロに依頼するのが基本です。

 

  • 向いている人:愛車を長期的にコレクション的に維持したい人、高級車オーナー。

 

 

 

 

 

  1. 撥水・親水・疎水水弾きの違いを理解する

 

 

コーティング剤の説明でよく登場する「撥水」「親水」「疎水」という表現は、水の流れ方を示しています。

 

  • 撥水タイプ:水玉がコロコロ転がる。見た目は華やかだが、ウォータースポットができやすい。
  • 親水タイプ:水が薄い膜状に広がる。シミができにくく、屋外駐車に適している。
  • 疎水タイプ:その中間。水滴は残るが素直に流れるため、実用性が高い。

 

 

例えば、ガレージ保管で雨に濡れる機会が少ないなら撥水の美しさを楽しめますし、青空駐車が多いなら親水や疎水のほうがシミのリスクを減らせます。

 

 

 

 

  1. 自分に合った選び方の基準

 

 

では実際に選ぶ際の基準を整理してみましょう。

 

  1. 駐車環境
    屋外駐車 → 耐久性重視、親水・疎水タイプ
    屋内ガレージ → 艶重視、撥水タイプも可
  2. メンテナンス習慣
    こまめに施工できる → ポリマーやガラス系
    手間をかけたくない → 硬化型ガラスやセラミック
  3. 予算
    DIYなら数千円で済むが、プロのセラミック施工は数十万円になることも。無理のない範囲で選ぶ。
  4. 求める仕上がり
    ギラつくような光沢 → 撥水系
    自然な艶と実用性 → 親水・疎水系

 

 

 

 

 

  1. DIYかプロ施工か

 

 

DIYは安価で気軽ですが、下地処理を省くと本来の性能は発揮できません。鉄粉除去や研磨をせずにコーティングを塗布しても、汚れの上に膜を作るだけになってしまうからです。

 

一方、プロ施工は高額ですが、徹底した下地処理を経て施工されるため、仕上がりの美しさと持続性は圧倒的です。新車時にプロ施工を行い、その後はDIYで簡易メンテナンスを続ける、といったハイブリッドな方法もおすすめです。

 

 

 

 

  1. コーティングに過信は禁物

 

 

どれほど高性能なコーティングでも、汚れの付着そのものを完全に防ぐことはできません。定期的な洗車やメンテナンスは欠かせず、「コーティングはあくまで汚れを落としやすくするための補助」と捉えることが大切です。

 

 

 

 

  1. まとめ最適解は人それぞれ

 

 

車のコーティング剤の選び方に正解は一つではありません。大切なのは「どのように愛車と付き合いたいか」というライフスタイルの視点です。

 

  • 手軽に艶を楽しみたい → ポリマー
  • 年1回のメンテナンスで十分 → ガラス系
  • 長期的な保護を優先 → ガラスコーティング
  • 究極の耐久性と艶を求める → セラミック

 

 

つまり、コーティング選びは「愛車の将来設計」を考える行為なのです。流行や宣伝に惑わされず、自分の環境と希望に合ったコーティングを選ぶことで、愛車は長く美しく輝き続けてくれるでしょう。

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